icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻8号

1981年08月発行

文献概要

臨床報告

Opticociliary veinを伴った鞍結節部髄膜腫の1例

著者: 後長道伸1 近藤和義1 調枝寛治1

所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1341 - P.1346

文献購入ページに移動
 71歳,女性の左眼視神経乳頭上にopticociliary veinを伴った鞍結節部髄膜腫の1例について報告した。30歳頃から左眼の視力低下が始まり,43歳頃には左眼は失明状態となり,52歳頃には右眼の視力障害,視野狭窄が始まった。両眼とも視神経乳頭は蒼白萎縮を示し,左眼には視神経乳頭上にopticociliary veinと思われる異常血管を認めた。螢光眼底撮影により,網膜動脈相に造影がみられず,静脈相早期に造影が始まり,漏出も認められない点からopticociliary veinと診断した。頭部X線単純撮影・CT・頸動脈撮影により鞍結節部髄膜腫と診断され,視神経管撮影では左側視神経管への強い波及が明らかであった。腫瘍摘出術をうけ,術中所見と術後の病理学的検査により,鞍結節部髄膜腫の確定診断を得た。
 腫瘍摘出1年経過後にも,左眼視神経乳頭上のopticociliary veinに変化は認めなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?