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臨床報告
Chronic cyclitisの臨床像
著者: 樋口真琴1 大野重昭1
所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1353 - P.1357
文献購入ページに移動 北大眼科ぶどう膜炎外来を受診したchronic cyclitis患者19例について,その臨床像を中心に報告する。症例の内訳は男8例,女11例であり,両眼性が9例,片眼性が10例であった。虹彩後癒着を伴わない軽い虹彩炎と,著明な硝子体混濁(前部微塵状混濁,snowballs, snow banking)がほとんどの例にみられ,類嚢胞黄斑部浮腫,白内障,緑内障の合併も多くみられたが,23眼(82.1%)は0.5以上の良好な視力を保持していた。虹彩炎に対しては無治療,類嚢胞黄斑部浮腫や硝子体混濁の強いものには,後部または前部テノン嚢下ステロイド注射が適当であり,長期にわたる定期的なfollow upが必要である。
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