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臨床報告
Paracentral serous chorioretinopathyを併発したfundus albipunctatusの1症例
著者: 林倫子1 藤岡孝子1 近藤武久1
所属機関: 1神戸中央市民病院
ページ範囲:P.1536 - P.1540
文献購入ページに移動定期的に経過観察を行っていたところ,初診から1年3カ月後に,耳側赤道部に限局性の漿液性網膜剥離をきたし,螢光眼底造影にて,その部に1個の点状螢光漏出点が認められた。アルゴンレーザー光凝固を行い,症状は軽快した。
Fundus albipunctatusの病理組織学的な検索はこれまでになされていないので,この疾患の本態については憶測の域を出ない。螢光眼底所見から網膜色素上皮の障害は論じられていたが,本症のようにneuro-sensory retinaの限局性剥離を併発する例があることは,本症の本来の病変である斑点の存在,あるいは色素上皮の変化の拡大により,色素上皮のbarrier機能に破綻を生ぜしめたことが推定できる。
Fundus albipunctatusにこのような2次変化を来たした症例報告は,これまでにないが,本症例も病巣が黄斑部から離れているために自覚症状を欠き,定期的な眼底検査で偶然発見されたものであった。詳細な眼底検査により,同様な変化の検出は,もっと高率にみられるものと期待される。
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