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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科35巻9号

1981年09月発行

文献概要

手術ノート

楕円角膜回転移植法

著者: 原孜 原たか子

所属機関:

ページ範囲:P.1560 - P.1561

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 提供眼球がないまま放置されている角膜混濁患者の角膜を良く観察すると,角膜のどこかに直径2.5mm以上の透明部分を見出す事は稀ではない。このような場合,この患者は提供角膜の出現を待つ事なく視力回復の可能性がある。瞳孔領を被う角膜混濁に対する治療法としては一般に次の四つが挙げられる。(1)薬剤による散瞳。(2)光学的虹彩切開または切除。(3)自己角膜を利用する角膜回転移植(RKと略)。(4)提供角膜を利用する全層角膜移植。このうちRKは眼球銀行からの角膜入手が比較的困難である一般開業医にとって有用であると同時に,拒否反応を除外できるために,例え提供眼球が豊富な場合でも混濁角膜の中に2.5mm以上の透明巣が残っている場合には,ひとまず試みるに値する方法である。数あるRKの中でも,我々が10余年間行っている楕円角膜回転移植法(ERKと略)は幾つかの利点を有するので紹介する。
 適応:一般に提供眼を利用する全層角膜移植の場合と同じであるが,次の2点で異なる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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