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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻1号

1982年01月発行

文献概要

臨床報告

前眼部手術におけるpars plana vitrectomyの応用

著者: 岡本和郎1 浦口敬治1 上野明廣1 大熊紘1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.15 - P.20

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 前眼部疾患に対して,VISC-Xを用いたpars plana approachによる硝子体手術を行った。症例は瞳孔領に硬い膜様の白内障を生じていた膜様白内障の8眼,穿孔性強角膜裂傷後瞳孔領に膨化した水晶体,滲出物や線維性血管膜を生じて瞳孔領が完全に閉塞していた瞳孔領膜様物形成の5眼,および水晶体の膨化による前房消失を来たしていた第一次硝子体過形成遺残症の2眼であった。
 手術に成功したのは11眼73%あった。膜様白内障に対する本手術成績はきわめて良く,全例成功し,第一次硝子体過形成遺残症にも良好であった。この様な前眼部疾患に対してpars plana vitrectomyの応用が勧められる。しかし瞳孔領膜様物形成の症例に対しては手術成績は不良で,今後症例によってはopen sky法による硝子体手術を考慮する必要があると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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