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眼科諸流派の秘伝書(11)(上)
著者: 中泉行信1 中泉行史1 斉藤仁男1
所属機関: 1研医会
ページ範囲:P.1308 - P.1309
文献購入ページに移動古来,眼科諸流派の消長はその年代によってさまざまであったと思われるが,「本朝医考」(黒川道祐編纂,寛文3年序)によると馬嶋流の他,佐佐木,青木,須磨穂積等が目医(眼科医)として名のある一家をなしていたようである。その後,馬嶋,家里,笠原,井花等幾多の眼科諸流派の興亡がみられ,幕末も近い天保の頃は尾州の馬嶋,筑前須恵の田原,諏訪の竹内,江戸の土生といった眼科名家があって,その頃これを日本四大眼科とも称されたという。「眼科玉明秘録」は文政7年(1824)2月,末松道隆によって相伝されたものであるが,当時のわが国眼科名家の秘方を総合的に包括して伝えているので,ここに紹介します。
「眼科玉明秘録」は文政年間(1818〜1829),わが国で名のある眼科,尾張名古屋,美濃,筑前,信濃の四家の秘方およびその外日本諸国の秘書より効験あるものを撰び出し,乾坤2巻にまとめ,習学の人のために解りやすいように図と俗語をもって記述した当流秘密の相伝であると,本書の奥書に示されている。
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