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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻11号

1982年11月発行

文献概要

臨床報告

ベーチェット病難治例の検討

著者: 難波克彦1 増田寛次郎1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1341 - P.1345

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 東京大学眼科を受診したベーチェット病患者で治療が奏効せず失明した男性5例10眼について,その臨床的特徴を検索し,あわせて我々のすでに報告した本病の患者38例76眼および男性患者162例288眼と比較した結果,次のようなことが明らかとなった。
1)初発症状は全例眼外症状で,個々の眼発作の前にもこれらの先行する傾向がみられた。
2)眼発作間隔は38例に比べて短かく,1年以上のものは皆無であったが,発作の季節変動には差がみられなかった。
3)眼病型は眼底発作を繰返すものが多かったが,前房蓄膿,黄斑部出血はいずれも38例76眼より頻度,再発率とも有意に高かった。
4)眼合併症は併発白内障,黄斑部変性が10眼すべてにみられ,次いで視神経萎縮続発性緑内障,黄斑円孔,眼球癆の順で,いずれも対照288眼より高率であった。
5)白血球・好中球数は増加の顕著でない症例もみられたが,好中球分画は全例が対照38例の発作直前直後に劣らぬ高値を示した。
6)ステロイド剤の全身投与は全例に行われたが,3例で24回の投与のうち8回に離脱に伴い眼発作が起きた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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