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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻11号

1982年11月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

Bloch-Sulzberger症候群(incontinentia pigmenti)の網膜病変について

著者: 岩田純介1 長南常男1 堀祥子2

所属機関: 1中央鉄道病院眼科 2中央鉄道病院小児科

ページ範囲:P.1363 - P.1370

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 在胎38週5日,3,291 gで出生したBloch-Sulzberger症候群の女児の網膜病変を,生後12日より観察した。初診時,右眼後極部網膜血管の著明な拡張,蛇行,網目状吻合,および全周の無血管域が認められた。生後1ヵ月頃より境界線部は凹凸不整となり,血管を伴った増殖性組織が硝子体中に突出しはじめたため,生後55日に境界線部と無血管域の広い範囲に光凝固を施行した。光凝固後,後極部網膜血管の正常化,および周辺部への血流回復が認められ,1歳の時点で乳頭の耳側牽引や網膜皺襲形成等は認めなかった。
 初期眼底像で,無血管域に血柱を残す血管の走行を追うことができたこと,無血管域の広範囲に網膜浅在性の出血が認められたこと等より.本症の無血管域形成の多くの部分は,血管の周辺部への発育不全によるものではなく,二次的な血管閉塞の結果によるものと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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