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小児眼科
著者: 湖崎克1
所属機関: 1大阪市立小児保健センター
ページ範囲:P.1419 - P.1426
文献購入ページに移動小児の心因性弱視については,多面的に検討され,その分類も試みられた(近江ら,1980)。しかし,小児の心理的要因によって視覚系にいかなる変化が生じているかは不明であり,この点についてはさらに心理物理学的,生理学的検討がなされなければならない。我々は心因性弱視に見られる視野狭窄について,線分の長さの比較能力を見ることによって検討した。実験に先立ち,一対の線分が提示されるスクリーン上で水平方向の視野がしらべられた。我々は既に網膜色素変性症患者や人工的に視野を制限した者に対して,線分の長さが視野より長い場合に,長さの比較能力が著しく低下することを報告した(近江ら,1980)。しかるに,12名の心因性弱視者においては,このような結果は得られず,視野より長い線分に対しても一定の比較能力が示された。これは視野狭窄であるということと矛盾するもので,今後さらにこの点について心理物理学的に検討する予定である。
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