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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻12号

1982年12月発行

文献概要

臨床報告

Bloch-Sulzberger症候群と眼症状

著者: 藤原久子1 上野信也1 花房路子1 三村茂2

所属機関: 1川崎医科大学眼科学教室 2川崎医科大学皮膚科

ページ範囲:P.1465 - P.1469

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(1)生後13日日に発見されたBloch-Sulzberger syndromeの女児に未熟児網膜症様網膜血管形成異常を伴った1例の報告を行った。
(2)右眼は後極の網膜静脈の拡張が見られたが,次第に正常化した。左限は網膜静脈の拡張蛇行が著明であったが,耳側周辺血管の異常分岐吻合が出現し,無血管帯次いで境界線が出現した。左眼の病変悪化に対し網膜光凝固術を2回施行し病変の進行を停止させることができた。
(3)本症候群の報告例について文献的考察を加えた。
(4)本症候群は生直後より発症し眼合併症の頻度は28.1%で高い。眼合併症の初発病変は網膜血管の異常性にあり,これが見過ごされると重篤な合併症となるので早期の眼底病変の把握と適切な治療が必要である。
(5)この網膜症の病因は現在のところ不明であるが,生後病変が進行し,しかも進行度に左右差があること等から先天的遺伝的素因の上に血管形成異常をきたす網膜循環不全発症の局所的環境要因が考慮される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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