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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻12号

1982年12月発行

薬の臨床

細菌性眼感染症に対するCefotiamの基礎的・臨床的検討

著者: 大石正夫1 永井重夫1 徳田久弥2 戸塚とし子2 嶋田孝吉3 澤充3 北野周作4 秋野薫4 内田幸男5 金子行子5 田中直彦6 佐々木隆敏6 原二郎7 三井幸彦8 塩田洋8 中屋由美子8 小林俊策9 小寺健一10 東堤稔10

所属機関: 1新潟大学 2杏林大学 3自治医科大学 4日本大学 5東京女子医科大学 6横浜市立大学 7近畿中央病院 8徳島大学 9山口大学 10大阪大学微生物病研究会

ページ範囲:P.1500 - P.1510

文献概要

 新しいセフェム系抗生物質,Cetbtiamの緑膿菌をのぞく細菌性眼感染征に対する基礎的・臨床的検討を行い,次の成績を得た。
(1)細菌性眼感染症74例中,除外・脱落の8例を除く66例において臨床効果を判定し,Cefotiam 1日0.5〜2gを1週間投与することにより,著効37例,有効26例,無効2例,不祥1例の結果を得た。有効率は,95%であった。
(2)疾患別有効率は,結膜炎,餅・腫,涙のう炎,眼瞼膿瘍,眼窩蜂窠織炎・全眼球炎,淋菌性膿漏眼ではいずれも100%,角膜潰瘍では91%,角膜炎および瞼板腺炎では75%であった。
(3)分離菌別有効率では,S. aureus,S. epidermidis,Corynebacterium sp. で,それぞれ,92%(11/12),96%(25/26),94%(16/17)であり,グラム陽性菌全体でも93%(56/60)と良好な治療効果であった。グラム陰性菌(11例)および嫌気性桿菌(6例)では,いずれも右効率100%であった。特に,特定菌感染例の5例(N. gonorrhoeae 1, Morasella sp. 3, H. aeg-yptius 1)では,著効2例,有効3例の成績であった。
(4)臨床分離のMoraselta lacunataおよびHaemophilus aegyptiusに対するCefotiamのMICを測定した結果,M. lacunataでは,CefotiamのMICは,<0.1~≧100μg/mlに分布し,0.2μg/mlにピークがあり,6.25μg/ml以下の濃度で,91%(39/43)の菌の発育が阻止された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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