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連載 眼科図譜・291
角膜のCrystalline Dystrophy
著者: 矢野真知子1 谷島輝雄2
所属機関: 1東京逓信病院眼科 2東京大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.94 - P.95
文献購入ページに移動角膜のcrystalline dystrophyはSchnyderにより1929年1)と1939年2)に報告された遺伝性の疾患である。角膜中央部にBowman膜下よりはじまる混濁があり,その中に針状の結晶が存在することが特微である。遺伝型式は常染色体優性遺伝であり,諸外国には多くの家系症例の報告3〜17)があるがわが国にはまだ報告がない。視力低下をきたして角膜移植手術を行った症例より得た組織を組織化学的に検索した結果,混濁中にコレステロールの沈着物があることが証明されている4〜7)。今回角膜のcrystalline dystrophyが親子にみられた症例を経験したので報告する。症例の家系は図1に示す通りである。
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