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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻2号

1982年02月発行

文献概要

臨床報告

色覚検査法の検討(1)—小学生のパネルD−15ならびにランタンテスト成績について

著者: 安間哲史1 高柳泰世2 上崎博2

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名古屋市学校医会

ページ範囲:P.119 - P.125

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 名古屋市内の市立小学校に在籍する4年生32,769名(男手16,839名,女子15,930名)を対象として学校用石原式検査表による色覚スクリーニング検診を行い、1表以上誤読した者891名(男子814名,女手77名)に対して色覚精密検診を施行し,以下の結論を得た。
(1)スクリーニング検診で検出された色覚正常者には圧倒的に女子が多く,色覚異常保因者が多く検出されたものと考えられた。
(2)このような正常者では男女ともにその視力は対照に比して有意に悪かったが,パネルD−15あるいはランタンテスト成績と視力との間には何ら関連をみいだしえなかった。
(3)このような正常者ではパネルD−15テストにおいてもランタンテストにおいても,その練習効果が随分強いことがわかったが,パネルD−15テストとランタンテストとの間には何ら関連をみいだしえなかった。
(4)色覚異常者群では初回のパネルD−15テストでfailだった者が再検査でpassすることはなく,またborder line patternを示すことも稀であったが,初回でborder linepatternを示した者,あるいはirregular patternを示した者は,その約半数が再検査において診断が変わっていた。
(5)色覚異常者群ではランタンテスト成績にあまり大きな練習効果は見出せなかった。
(6)ランタンテストのpass, failの境界はやはり誤数3と4との間にとるとよいことがわかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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