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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻2号

1982年02月発行

文献概要

臨床報告

Acute posterior multifocal placoid pigment epitheliopathyの再発症例

著者: 萱沢文男1 高橋寛2

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2高橋眼科診療所

ページ範囲:P.127 - P.133

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 41歳女性(症例1)と44歳男性(症例2)にみられた急性後極部多発性円板状網膜色素上皮症(APMPPE)の臨床経過について報告した。両例共急激な視力低下で発症し,検眼鏡的には後極部に多数の黄白色滲出斑がみられ,螢光眼底造影では,初期相でhypofluorecence,後期相でhyperfiuoresccnceの所見がみとめられた。症例1では,半年後に右限,7年後に左眼に再発がみられた。再発時滲出斑は,初診時滲出斑のみとめられた部位の他,新たな部位にも出現した。再発後の経過は,初回と変らず視力予後は良好であった。症例2では,初回病変は,1ヵ月で自然治癒し,滲出斑に一致した瘢痕形成と夕焼け状眼底の所見がみられた。再発は4ヵ月後左限にみられ,漿液性虹彩炎を伴っていた。症例1はAPMPPEの典型例,症例2はAPMPPEの非典型例あるいは原田病の異型と考えられ,APMPPEは種々の病因によっておこる一症候群ではないかと推測した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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