icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻2号

1982年02月発行

文献概要

手術ノート

初心者のためのKPE手術事故防止ポイント集(2)

著者: 上野山謙四郎1

所属機関: 1和歌山医科大学

ページ範囲:P.166 - P.167

文献購入ページに移動
核の硬さと適応
(1)軟性白内障は危険なので,初心者はさけるべきである。これは従来いわれてきたのと反対に聞えるかもしれない。「初心者はまず軟性白内障で十分経験を積んでから,有核白内障に取掛るべきである」と考えておられる力も多いと思う。しかしEmeryとLittleの教科書(47頁)を見てほしい。彼らは初心者に適当なのはGra—de3のMedium Nucleiであり,Grade1と2はすすめられないとしている。その理由は脱臼操作がむずかしく,この間に後嚢破損を発生しやすいことや,後房法になることが多く,これは技術的に初心者向きでないためとしている。著者も自分の失敗経験から同感である。本当に安全なのは「吸引のみで取れる白内障」であり,これは症例数からいえば少ししかない。
(2)初心者にとって安全な症例は「容易に脱臼できる有核白内障」である。一手前房法にせよ,二手前後房法にせよ,脱臼が旨く行けば手術は半分成功したといえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら