文献詳細
文献概要
臨床報告
色覚検査法の検討(2)—小学生のロダテスト成績について
著者: 安間哲史1 高柳泰世2 上崎博2
所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名古屋市学校医会
ページ範囲:P.207 - P.215
文献購入ページに移動その成績を最も診断能力がすぐれていると考えられる判定基準に従って診断し,他の色覚検査成績との比較を行った。
(1)ロダテストは第1色覚異常と第2色覚異常との判別に関しては満足しうる能力を備えていたが,二色型色覚と異常三色型色覚との判別は困難であった。
(2)第1色覚異常では,ロダテストとパネルD−15テストの判定との間に関連を認めたが,第2色覚異常では何ら関連をみいだしえなかった。
(3)第2色覚異常では,ロダテストとランタンテストの判定との問に関連を認めたが,第1色覚異常では関連をみいだしえなかった。
(4)馬嶋試案にしたがって,パネルD−15とランタンテストとを用いて色覚異常の程度を判定すると,その程度が強くなるにつれてロダテストの判定不能例が増加していた。
(5)第1色盲あるいは第2色盲が弱度と判定される率がそれぞれ約20%および15%近くあり,しかも第2色覚異常ではパネルD−15テストとの関連がほとんど認められなかったことから,社会適性検査としてのロダテストの利用価値はほとんどないと思われた。
掲載誌情報