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臨床報告
水晶体嚢内摘出術後における角膜内皮細胞の変化—第2報前房形成剤の差による影響
著者: 小峯輝男1
所属機関: 1福島県立医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.223 - P.227
文献購入ページに移動 同一方法により水晶体嚢内摘出術を行った78名,134眼を対象とし,前房形成に用いた溶液の角膜内皮に及ぼす影響を検討した。対象を4群に分け,それぞれに生理的食塩水,空気,人工房水,Balanced Salt Solutionを前房形成剤として用い,角膜内皮細胞平均面積と角膜中央厚を経時的に測定した。
Balanced Salt Solutionを使用した群の角膜内皮細胞平均面積増加率が観察期間を通して有意に小さかった。
人口房水を使用した群の面積増加率は,観察期間のある時点では統計学的に有意ではなかったが,生理的食塩水,空気を使用した群より小さかった。
角膜中央厚は4群間に有意差はみられなかった。
内皮細胞平均面積の変化と角膜中央厚の変化の間には,有意な相関はみられなかった。
内皮細胞面積の増加率を大きくしないために,前房水に類似の組成の溶液を,前房形成剤として用いることが望ましい。
Balanced Salt Solutionを使用した群の角膜内皮細胞平均面積増加率が観察期間を通して有意に小さかった。
人口房水を使用した群の面積増加率は,観察期間のある時点では統計学的に有意ではなかったが,生理的食塩水,空気を使用した群より小さかった。
角膜中央厚は4群間に有意差はみられなかった。
内皮細胞平均面積の変化と角膜中央厚の変化の間には,有意な相関はみられなかった。
内皮細胞面積の増加率を大きくしないために,前房水に類似の組成の溶液を,前房形成剤として用いることが望ましい。
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