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特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
虚血発作前後を観察しえた高安病の1例
著者: 安間哲史1 森井一江1 安藤文隆1
所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.283 - P.290
文献購入ページに移動この症例は2度にわたる虚血発作のために,視力が両眼ともに1.0から眼前手動弁へと低下し,眼底は両眼ともに典型的な花冠状吻合を呈し,右眼は乳頭より約3乳頭径,左眼は約5乳頭径以遠の網膜血管はすべて閉塞した。このように極度に網膜血行が途絶された時点においてさえもERGがsubnormalであったことは興味深い所見であった。
また,本症例では虚血発作時には毛様網膜動脈の閉塞所見がみられ,病状が進展したのちには脈絡膜毛細血管がほとんど消滅したために脈絡膜の太い血管が透見でき,さらには数個の楔状の脈絡膜無血管野が確認されたことなど,短後毛様動脈の循環障害を示す顕著な所見が認められた。
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