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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻4号

1982年04月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著

虚血発作前後を観察しえた高安病の1例

著者: 安間哲史1 森井一江1 安藤文隆1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.283 - P.290

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 両側の虚血性視神経症発作ならびに虚血によると考えられる両側の急速な水晶体混濁をおこした16歳の高安病の女性を報告した。
 この症例は2度にわたる虚血発作のために,視力が両眼ともに1.0から眼前手動弁へと低下し,眼底は両眼ともに典型的な花冠状吻合を呈し,右眼は乳頭より約3乳頭径,左眼は約5乳頭径以遠の網膜血管はすべて閉塞した。このように極度に網膜血行が途絶された時点においてさえもERGがsubnormalであったことは興味深い所見であった。
 また,本症例では虚血発作時には毛様網膜動脈の閉塞所見がみられ,病状が進展したのちには脈絡膜毛細血管がほとんど消滅したために脈絡膜の太い血管が透見でき,さらには数個の楔状の脈絡膜無血管野が確認されたことなど,短後毛様動脈の循環障害を示す顕著な所見が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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