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特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学術展示
巨大な涙腺癌
著者: 宮崎仁志1 舩橋知也1 小林直樹1 鎌田芳夫1 今井由美子1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.368 - P.369
文献購入ページに移動症例79歳男性,当科初診1〜5年前.左限球結膜充血,腫脹が出現し,近医で加療していたが,1979年9月より,左眼球突出および複視に気付き,当大学分院を受診し,臨床所見より涙腺腫瘍の診断を受け,手術を勧められたが,そのまま放置していた。1年半後の1981年2月,腫瘍が急激に増大してきたため,2月26日.当科外来を受診し,3月9日,当科へ緊急入院となった.入院時,右限は,視力0.4(矯正不能),眼圧12mm水銀柱であり,前眼部,中間透光体,眼底には,老人性白内障および,KWⅡa相当の眼底変化を認める以外には著変はなかったが,左眼球は外下方へ圧迫され,完全に腫瘍におおわれ,視力,眼圧,前眼部,中間透光体,眼底等は完全に検査不能であり,腫瘍は小児玉拳大,65mm×60mmで約45mm突出し,弾性硬,表面平滑であり,その一部からは出血が孜られた(図1)。さらに,入院時全身検査では,特に異常所見はなく,胸部単純撮影にて,左第2弓に一致して軽度の突出がみられたが,肺門部の血管陰影として説明された。
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