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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻4号

1982年04月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学術展示

老人白内障水晶体混濁の進行形式について

著者: 尾羽澤大1 藤原隆明1 河原哲夫2

所属機関: 1東海大学医学部眼科 2東海大学工学部光学工学科

ページ範囲:P.376 - P.377

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 老人白内障の臨床像を正確に把握することは白内障臨床上基本的に重要であるにもかかわらず,経過が慢性で正確な記録が困難であったため,その詳細は不明な点が多い。先に我々は偏光を用いることにより良質な水晶体徹照像を得る撮影方法を開発し報告した1)。今回はこの徹照像撮影法により1年〜4年4ヵ月(平均27.6±9.9カ月)の長期にわたり,同一患者の経過を追って撮影した老人白内障52例につき水晶体混濁の進行状態を検討したので報告する。
 対象症例は1977年1月以降に東海大学病院白内障外来を受診し,1年以上にわたり経時的に経過の観察および徹照像撮影記録ができた52例(男20例・女32例)・103眼である。受診時における年齢別症例数は40歳代より80歳代まで各10歳代毎に1・13・21・13・2例ずつである。徹照像撮影法の詳細は既報1,2)のごとくで,1眼につき水晶体前面および水晶体後面に焦点を合せた2枚の徹照像写真を撮影記録した。老人白内障水晶体混濁の徹照像上にみられる陰影の形態および経時的変化は極めて多様で,混濁の発現・変化を規定する水晶体内外の因子が多彩であることを推定させる。これら発症および進行因子の検討は今後の大きな課題であるが,今回は特微的な水晶体混濁3)の比較的共通した経時変化について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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