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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻4号

1982年04月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学術展示

水晶体核硬度の超音波診断

著者: 三宅武子1 前久保久美子1 三宅謙作1

所属機関: 1眼科三宅病院

ページ範囲:P.378 - P.379

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 緒言水晶体乳化吸引法の適応の決定で最も重要なことは,水晶体核の硬度を正確に予知することである。細隙灯所見,red reflexによる方法が広く行われているが,十分な方法といえずより客観的な診断法が必要である。超音波診断法は,原理的に音響インピーダンスの差による対照物の種々のdisplayを利用している。音響インピーダンスとは音速と物質密度の積であることから,我々は水晶体核の硬さを物質密度の変化とみなし,水晶体の超音波像から核の硬さに関する情報が得られるのではないかと考えた。
 症例と方法症例は無核および有核の白内障眼311症例502眼,180症例女性,131症例男性。年齢16歳から86歳(平均56.2歳)。方法は米国Sonometric 社製「OCUSCAN 400」に同社製の眼軸測定用のDigital BiometricRulerを接続し,水晶体をA-modeで観察した。眼軸測定の場合と同様,水晶体核硬度測定のための再現性の高いdisplayを得るためにも,視軸と超音波軸を可及的に一致させることが重要である。当機種は水晶振動子の後方に固視灯があり,中心の円筒から患者にこれをのぞかせ,超音波が水晶体の中心を通過するように設計されている。白内障があっても,85%の症例で固視灯を認めることができた。固視不能の例では他方で赤の固視灯を注視させた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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