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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻4号

1982年04月発行

文献概要

臨床報告

色覚検査法の検討(3)—小学生の色覚検査表成績について

著者: 安間哲史1 高柳泰世2 上崎博2

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名古屋市学校医会

ページ範囲:P.395 - P.401

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 仮性同色表成績からアノマロスコープ,パネルD−15あるいはランタンテスト成績がどの程度判別できるかを林の数最化理論第Ⅱ類を用いて検討し,以下の結論を得た。
(1)第1色覚異常(P系)と第2色覚異常(D系)の判別は十分に可能であった。石原表国際版,TMC表,SPP表の各分類表のうちから,P系とD系とを最も高精度に判別しうる表を3表とりだすと,SPP第15表,第17表,第19表が選択され,この3表で判別するとその相関比ρ2は0.8243(ρ=0.9079)となった。
(2)臨床的に使用することを目的として,この3表について個々のカテゴリーの数量値を簡易化し,スコアづけを行った。このスコアを用いて判別すると,その相関比ρ2は0.7726(ρ=O.8790)とやや低下するが,誤判別率は約5%であり,臨床的には十分利用しうるものと考えた。
(3)二色型と異常三色型色覚の判別は,仮性同色表では不可能であった。
(4)パネルD−15テストあるいはランタンテストでのpass,failの成績,すなわち程度判定を仮性同色表で行うことは困難であったが,D系よりはP系の方が幾分よい成績が得られた。
(5)このような程度判定には学校用石原表とTMC程度表が有用であったが,P系においてその程度判別に有用である表と,D系においてその程度判別に有用である表とは異なっていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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