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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻5号

1982年05月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著

糖尿病性網膜症と赤血球中2・3—DiphosphoglycerateおよびHemoglobin A1cとの関係

著者: 荒木實1

所属機関: 1東京都済生会中央病院眼科

ページ範囲:P.457 - P.462

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 2年以上内科医による正規の治療を受けている糖尿病性網膜症121例について,hemoglobin (Hb A1c)および赤血球中2・3—Diphosphoglycerate (2・3—DPG)を同時測定し網膜症との関係を事調査し次の結果を得た。網膜症は非増殖性網膜症(A群63例),前増殖性網膜症(B群27例),および増殖性網膜症(C群31例)の三群に分類した。
(1) BおよびC群のHb A1c levelは,A群のそれより有意に高値を示した。一方,赤血球中2・3—DPG levelはBおよびC群においてA群のそれより有意の低値を示した。
(2) Hb A1c/2・3—DPGはBおよびC群において,A群のそれより有意の高値を示した。
(3) A群のHb A1cと2・3—DPGの相関は有意に存在したが,BおよびC群では,その相関は失調した。
 このHb A1cと2・3—DPGの相関の失調が,網膜のhypoxiaを増進し,増殖型の網膜症に進行したものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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