文献詳細
文献概要
特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
糖尿病性網膜症者の血液性状
著者: 小原喜隆1 油井秀夫1 門屋講司1 波紫秀厚1 大村まゆみ1 一迫浄1 田沢豊1
所属機関: 1岩手医科大学眼科
ページ範囲:P.463 - P.468
文献購入ページに移動(1)赤血球抵抗は抵抗幅が糖尿病群でわずかに増大していた。
(2)血腋浸透圧は糖尿病群で増大したが,その増大は増殖性網膜症群で明らかであった。
(3)血液粘稠度は糖尿病群で高い値を示し,特に増殖性網膜症群で著明であった。
(4)血清のvitamin E含有相よ糖尿病群で上昇したものの,β—リポ蛋白に対する含有量は単純性網膜症群でわずかに減少し,増殖性網膜症群では明らかに減少を示し,脂質のvitamin E保持能力が低下していた。
(5)脂肪酸組成は,血清ではC16:0, C18:1,C18:2が,赤血球ではC16:0, C18:0, C18:1,C18:2, C20:4が主要構成成分であり,血清ならびに赤血球共に糖尿病で不飽和脂肪酸が増加していた。
(6)血清の過酸化脂質は糖尿病群で上昇しており,対照群に比較してその上昇率は非網膜症群ならびに単純性網膜症群で約29.2%,増殖性網膜症群では35.6%であった。
掲載誌情報