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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻6号

1982年06月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

眼瞼・眼窩腫瘍における細胞診について

著者: 麻薙薫1 石川清1 中村泰久2 堀内文男3

所属機関: 1千葉大学医学部眼科学教室 2富山医科薬科大学医学部眼科学教室 3千葉大学医学部附属病院検査部細胞診

ページ範囲:P.551 - P.555

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 1975年より108例の眼瞼,眼窩部腫瘤に対し,穿刺吸引細胞診を行い,その結果を病理組織所見と対比検討を行い,以下の結果を得た。
(1)病理組織学的に悪性腫瘍と診断された症例に行った細胞診において,class IV, Vの悪性腫瘍細胞は76.396認められ,悪性を疑うclass IIIの異型細胞は18.4%に認められた。
(2)細胞診による悪性腫瘍の病理組織像の推定は68.4%に可能であった。
(3)病理組織学的に良性と診断された症例ではclass IV, Vの誤陽性はなく,class I,IIのものが84.2%であった。
(4)細胞診による良性腫瘍の病理組織像の推定は44.7%に可能であった。
 したがって本法は腫瘍の良性,悪性の診断のみならず,かなりの高率で組織像をも推定できるため治療方針を決定する上で重要な検査法である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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