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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻6号

1982年06月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

川崎病における眼病変の臨床像

著者: 大野重昭1 宮島輝英1 樋口真琴1 吉田篤1 松田英彦1 佐伯義人2 富樫武弘3

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室 2市立札幌病院小児科 3北海道大学医学部小児科学教室

ページ範囲:P.561 - P.566

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 川崎病(小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群,MCLS)における眼症状の詳細を知る目的でprospective studyを行い,本症にて小児科を受診した患者15例を無作意にえらんで眼科検査を行った。その結果,球結膜充血が93%,虹彩毛様体炎が73%と高頻度にみられたほか,表層性角膜炎が20%,硝子体混濁が14%,そして結膜下出血が7%の患者に認められた。しかし毛様充血や網膜血管炎,網脈絡膜炎は本病患者ではみられなかった。結膜充血および虹彩毛様体炎は全例両眼性であり,しかも病日の経過とともに両眼が同一経過をたどり左右差はみられなかった。両眼の主要症状は病口,赤沈値,CRPとの間に有意の相関を示した。本症でみられた眼症状の予後は良好で重篤な合併症は認められなかった。これらの成績をもとに,川崎病における眼病変の臨床像について考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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