icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻6号

1982年06月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

新しい抗真菌剤ketoconazole (KW−1414)内服による角膜真菌症2例の治療経験

著者: 石橋康久1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系眼科

ページ範囲:P.587 - P.592

文献購入ページに移動
 48歳女性の右眼,および44歳男性の左眼に認められた2例の角膜真菌症に対して新しく開発された抗真菌剤であるketoconazoleの内服療法を試みた。第1例では1日300mgから100mgを内服し,治療57日間,総量13,000mgで眼前手動弁であった視力が矯正0.6に回復し,潰瘍も消失,淡い混濁を残して治癒した。第2例でも1日300mgから100mgを内服し,治療20日間,総臆4,700mgで,矯正0.6であった視力が矯正1.2まで改善し,極く淡い混濁を残して治癒した。両者とも薬剤の重篤な副作用は認められなかった。なお第2例より分離されたFusarium solaniに対するketoconazoleのMICを測定した結果250μg/mlであった。また同菌をウサギ角膜に接種し治療群と対照群に分け,1日1回100mgの内服を治療群に行った結果,治療群は対照群に比較して炎症の程度がやや低くなる傾向のあることがわかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?