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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻6号

1982年06月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学術展示

糖尿病性網膜症に対する汎網膜光凝固術の効果について(予報)

著者: 能美俊典1 渡辺正樹1 松浦啓之1 山本由香里1 瀬戸川朝一1

所属機関: 1島根医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.640 - P.641

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 1960年ルビーレーザー装置が実用化されて以来,その眼科領域への応用が幾多の先人によってなされ,ことに増加傾向にある糖尿病性網膜症に対する治療効果が多数報告されている。従来,重症糖尿病性網膜症に対して病巣凝固が行われたが,病変の進行阻止効果は少なく,最近は網膜全体に侵襲を及ぼす汎網膜光凝固療法(以下PR.Pと略)による治療効果が検討されている1,2)。当科でも先に報告した例3)に加え,新たにPRPを行ったPRP症例についてその効果を検討した。
 対象は1979年10月以後当科を受診しPRPを行い,3カ月以上経過観察ができた症例とした。性別では,男13例20眼,女23例36眼,計36例56眼である。年齢は26〜74歳(平均54歳),糖尿病歴は1〜33年(平均12年),経過観察期間は最短3カ月,最長18カ月(平均8カ月)である。適応例としては,網膜中間周辺部に広範な毛細血管非灌流域があり,かつその近位の毛細血管拡張・透過性亢進の強い活性病変を示すもの,比較的大きい静脈のうっ血い拡張・コイル状〜結節状変形などいわゆる前増殖期性病変を有するも,いまだ血管新生を認めないものなど単純型網膜症20眼と乳頭・網膜上に新生血管を有する増殖型網膜症36眼を対象とした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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