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臨床報告
水俣病にみられるsquare wave jerks
著者: 石川哲1 向野和雄1 村田悦子1 山上晴子1 鵜飼一彦1 岡村良一2 皆良田研介2
所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室 2熊本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.659 - P.664
文献購入ページに移動患者全例にsquare wave jerks (SWJ)が,暗所および明所でみられた。正常者で認めた例は10例中4名で,しかも3例は暗黒時のみ認められた。患者のSWJの持続時間(dura—tion)は正常者より有意に延長していた。頻数(frequency)は,正常者より頻発し,固視標の光が強くなれば増加する傾向を示した。また,振幅(amplitude)は,暗所においては正常者の2倍近くであり,固視標が明るくなるに従って,抑制されていく傾向にあった。今回最も興味のあった事実は,共働性ではないdisjugate SWJの検出である。1眼は大きなsaccadeの後,stair caseでfoveationを行うもので,他眼はそのsaccadeの向きは同じであるが,中心窩に戻る動きはsmoothな眼球運動成分に加えて,最後にfoveatingsaccadeで補正されるという,disjugateな運動である。この異常波形は10例中6例に認められた。
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