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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

レーザー散乱光によるヒト水晶体核蛋白粒子の直径計測

著者: 馬嶋慶直1 湯浅英治1 田中豊一2 西尾泉2

所属機関: 1名古屋保健衛生大学眼科 2マサチューセッツ工科大学

ページ範囲:P.709 - P.712

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 He-Neレーザー光を水晶体核に集束し,その散乱光より,核蛋白粒子の直径を測定した。白色家兎の実験にて,本法が可能であることを確認し,22眼のヒト水晶体核に適用した。スリットランプマイクロスコープにて,その色相に従って混濁核を五つのgradeに分類し,grade 0を正常核,grade 1は淡白色,grade 2は白黄色,grade 3は黄色,grade4はかつ色混濁核とした。各gradeの水晶体核にレーザー光をfocusさせ,その蛋白粒子直径を算出したところ,grade 0では1.12μ,grade 1は1.45μ,grade 2は2.24μ,grade 3は2.76μ,grade 4は2.46μとなり,gradeの上昇に伴い,直径の増加を示した。この粒子直径の増大は,核蛋白の重合の進行を示唆するものと考えられる。我々の用いた装置は,MTFの安全基準ともなったAmerican National Standardに照らして十分安全であり,測定後,視機能低下の愁訴はなく,色ウサギによる照射実験にても,組織学的に障害はみられなかった。白内障発生の予知および発生因子の研究に,本法は有力な手段となると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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