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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

Binkhorst 2loop lens挿入結果とレンズ固定について

著者: 西興史1 植村恭子1 西素子1 細川久子1

所属機関: 1大阪市西眼科病院

ページ範囲:P.713 - P.718

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 1979年10月〜1981年6月の間に,Binkhorst 2loop lensを挿入した46人48眼について統計的観察と,レンズ固定の分析を行った。臨床上問題となった合併症は脱臼の2眼4.2%で観血的に整復し,縮瞳剤の点眼を続行している。レンズが確実に固定されているもの44眼91.7%,レンズと嚢とが癒着していないと思えるもの,4眼8.3%で,この後者4眼と,少なくとも術後数日間は,全例縮瞳剤を与えて,虹彩支持に頼らねばならないのが,このレンズの最も神経を使うところであり欠点といえる。主に嚢内摘出後挿入する,iris medallion lensと比較するとレンズ固定はより確実であり角膜内皮損傷もより少ない。ループと嚢との癒着は,残留した前嚢が後嚢と触れる位置の水晶体上皮細胞の増殖によるものと思われた。現時点で使用に耐えうる人工水晶体の一つと思われるが,わずかであれ,なお脱臼が起りうるので,Shearing型のものが主流になっていくと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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