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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

急性閉塞隅角緑内障における虹彩萎縮の臨床的意義

著者: 松村美代1 沖波聡1 原山憲治1 大熊正人1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.725 - P.729

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 急性閉塞隅角緑内障151眼を対象に,虹彩萎縮の発生状況およびその臨床的意義を検討した。虹彩萎縮は年齢の高いほど,また発作持続時間の長いほど発生率が高い。乳頭がpaleで虹彩萎縮のあるものは一般に予後の悪いことが多く,乳頭がpaleでも虹彩萎縮のないものでは予後のよいこともある。虹彩萎縮が存在すれば,比較的強い急性緑内障発作であり,かなり持続時間も長く,予後も悪い可能性が大きいという一つの目安になると思われる。
 虹彩萎縮発生率と同様に,初回手術による眼圧調整率は処置までの時間によく相関するが,手術までの時間とは直接関係しない。急性緑内障の予後をよくするためには,虹彩萎縮がおこりにくく,術後の眼圧コントロールの良好な12時間以内に処置をすることが重要であるが,手術そのものを特に急ぐ必要はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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