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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

トラベクレクトミーの奏効機序

著者: 門田裕子1 沖坂重邦1 稲垣有司1 百瀬皓2 樋渡正五2

所属機関: 1防衛医科大学校眼科学教室 2臨床眼科研究所

ページ範囲:P.749 - P.754

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 原発開放隅角,原発閉塞隅角,先天,続発,嚢性緑内障計69眼を対象に,採取した組織片にトラベクルムを含んでいることを光顕下で確認し,術後1カ月から3年までの経過を観察した。
 手術方法はトラベクルムを含むたて長の強角膜片を切除,強膜弁の縫合を十分に行った。術後の眼圧コントロール良好例は95.7%であった。
 術後濾過瘢痕を形成したもの27.5%,このうち眼圧コントロール良好のもの94.6%であった。術後濾過瘢痕を形成しなかったもの,観察中に消失したものは72.5%で,このうち眼圧コントロール良好のもの96%であった。濾過瘢痕形成の有無による眼圧コントロールの差は認められなかった。
 トラベクレクトミーの奏効機序として結膜下への濾過のみでなく,脈絡膜外隙への房水流出路も考慮すべきであると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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