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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻7号

1982年07月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

Dipivalyl epinephrine点眼薬の緑内障治療における評価

著者: 東郁郎1 中島正之1 西田哲夫1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.769 - P.773

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 用時溶解型dipivalyl epinephrine (DPE)点限薬の臨床効果およびこれとβ—遮断剤との併用効果について検討したところ,次のような結論を得た。
(1) DPE点眼液の眼圧下降作用はdose-responseの関係を示し,0.05%が臨床応用できる下限の濃度であった。
(2)散瞳作用もdose-responseの関係を示し,瞳孔径に有意な変化を及ぼさない濃度の上限は0.05%であった。
(3) DPE 1回点眼による副作用として,点眼時の一過性の眼刺激感(しみる)を認めたが,l-epinephrineより軽度であった。
(4) Timolol点眼後DPE点眼群ではDPEの減圧効果は認められず,DPE点眼後timolol点眼群でtimololの有意な減圧効果を認めた。
 以上から,DPE点眼薬は0.05%を主にして,臨床応用すれば,緑内障治療に有用と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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