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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻7号

1982年07月発行

文献概要

臨床報告

術後経過よりみた外斜視に対するParksの量定の検討

著者: 根本龍司1 松田恭一1 根本加代子1 門脇文子1

所属機関: 1岩手医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.812 - P.816

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 外斜視31例の手術成績を調査し,その結果からParksの量定法を検討した。
(1)術前の眼位は−28〜−35prism dioptersに最も多く分布していた。術後眼位は+1〜−3と−19〜−23prism dioptersにピークをもつ二峰性の分布を示していた。
(2)術後6〜12カ月目での治癒状態はFairが最も多かったが,これには術後の残余角(10prism diopters以上)が影響すると思われた。
(3)間歓性外斜視における矯正係数は平均0.76±0.31で,恒常性外斜視のそれは0.93±0.33であったが,両者は危険率10%で有意の差があるとはいえなかった。
(4)術後の期間と眼位の変化との間には,y=1/b ln x-ln a/bの関係があり,術後眼位および手術効果を検討するには良い指標となった。
(5)矯正係数のバラツキの原因として,術者の斜視手術に対する熟練度,術式の不統一が考えられ,今後考慮されるべき点であった。
(6)今回の症例では,Parksの量定は全体としてやや低矯正の傾向にあり,内直筋短縮を1mm多く行っても良いと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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