文献詳細
特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その5)
学会原著
文献概要
第一次硝子体過形成遺残の研究のために,その臨床的実態を明らかにする目的で,慶大眼科において1973年7月より1981年6月までの8年間に経験した63症例,77眼について統計的観察を行なった。その結果は次のごとくである。性別は男子に多く,女子の約2倍にみられ,片眼性の症例は77.8%,両眼性は22.2%であった。Type別にみるとAnterior Type 44.4%, Intermediate Type 28.6%, Posterior Type 22.2%であった。
超音波検査をAnterior Typeの症例に施行した結果,従来Anterior Typeとされているものの37.5%にIntermediate Typeが存在していることを明らかにした。ERG, VEPの検査によりAnterior Typeにおいても網膜,視路の機能障害を高率に認めた。このことは,治療,予後にはもちろんのこと本症の病態を研究する上に注目すべき事実である。従来Anterior Typeは,その大部分は緑内障を併発し眼球癆におちいると報告されてきたが,今回の観察では,それぞれ3例にすぎず,また網膜芽細胞腫と誤診し眼球摘出をした症例もなかった。
超音波検査をAnterior Typeの症例に施行した結果,従来Anterior Typeとされているものの37.5%にIntermediate Typeが存在していることを明らかにした。ERG, VEPの検査によりAnterior Typeにおいても網膜,視路の機能障害を高率に認めた。このことは,治療,予後にはもちろんのこと本症の病態を研究する上に注目すべき事実である。従来Anterior Typeは,その大部分は緑内障を併発し眼球癆におちいると報告されてきたが,今回の観察では,それぞれ3例にすぎず,また網膜芽細胞腫と誤診し眼球摘出をした症例もなかった。
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