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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻8号

1982年08月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

未熟児網膜症手術治療例の遠隔成績

著者: 玉井嗣彦1 伊与田加寿1 上野脩幸1 野田幸作1 岸茂1

所属機関: 1高知医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.915 - P.923

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 光凝固,冷凍凝固および両者併用のいずれかの手術治療をうけた未熟児網膜症患者22例35眼の瘢痕期病変を観察し,可能なかぎり視機能の評価を試みた。観察期間は術後最短1年,最長9年半であった。
 術後眼底所見のうち,凝固瘢痕のみ,または凝固瘢痕+瘢痕期I度(鳥大変法,以下同様)の"著効"は35眼中25眼の71.5%,凝固瘢痕+瘢痕期II度の"軽快"は35眼中6眼の17.2%に認められた。
 視力に関しては,瘢痕期I度までであれば比較的良好な視力が得られたが,屈折異常の点では瘢痕期病変だけでは整理がつかない結果となった。
 眼位は27治療眼中24眼の88.9%,固視は17治療眼中14眼の82.4%,視野は11治療眼中6眼の54.5%に正常であったが,視野に関しては必ずしも正確な情報が得られたとはいえない。
 本症に対する手術療法の視機能におよぼす影響は複雑で,なお長期の観察が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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