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特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著
上斜筋麻痺の手術療法に関する研究—第2報上斜筋麻痺における麻痺眼上直筋後転法の効果
著者: 市川理恵1
所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.925 - P.932
文献購入ページに移動 麻痺眼下斜筋減弱術を含め,麻痺眼上直筋後転術を行った上斜筋麻痺24例(平均年齢6歳)を術後1〜7年(平均2.8年)経過観察し,術後成績を検討したところ以下の結果を得た。
(1)術後の診断的むき眼位検査(Synopt.9方向眼位19名と,PDH融像背景下13.2°上下3方向眼位9名)において,第1眼位と各むき眼位との間に,上直筋後転による上下回旋偏位の有意な差はみられなかった。
(2)患眼上直筋後転量の指標としてPB量(第1眼位とBHTT麻痺側頭傾時とにおける垂直偏位量の和)を用いた。
(3)上斜筋麻痺の手術療法として,PB量を指標にし,下斜筋減弱術と上直筋後転同時手術を行うなら,優位眼側にかかわらず,PB量11Δにつき1mmの割合で上直筋を後転し,2次手術で行う場合は,優位眼麻痺群は8Δにつき1mm,NDEP群は9Δにつき1mmの上直筋後転量で有効であった。
下斜筋過動症がなければ,非優位眼麻痺群で5Δにつき1mmの上直筋単独後転で有効であった。
(1)術後の診断的むき眼位検査(Synopt.9方向眼位19名と,PDH融像背景下13.2°上下3方向眼位9名)において,第1眼位と各むき眼位との間に,上直筋後転による上下回旋偏位の有意な差はみられなかった。
(2)患眼上直筋後転量の指標としてPB量(第1眼位とBHTT麻痺側頭傾時とにおける垂直偏位量の和)を用いた。
(3)上斜筋麻痺の手術療法として,PB量を指標にし,下斜筋減弱術と上直筋後転同時手術を行うなら,優位眼側にかかわらず,PB量11Δにつき1mmの割合で上直筋を後転し,2次手術で行う場合は,優位眼麻痺群は8Δにつき1mm,NDEP群は9Δにつき1mmの上直筋後転量で有効であった。
下斜筋過動症がなければ,非優位眼麻痺群で5Δにつき1mmの上直筋単独後転で有効であった。
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