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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻8号

1982年08月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学術展示

眼瞼部に発生したimmunoblastic sarcomaの1例

著者: 根本慧子1 根本啓一2

所属機関: 1新潟県立ガンセンター新潟病院 2新潟大学医学部

ページ範囲:P.978 - P.979

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 緒言免疫学の急速な進歩とともに,悪性リンパ腫においても概念の変革が余儀なくされ,種々の新分類が試みられ本邦においてもわが国のリンパ腫に適した分類が提案されている1)(表1)。眼科領域においてはリンパ系腫瘍が比較的多いにもかかわらず,その病理組織診断が困難なことも多いためか2,3),その治療,予後について系統的な報告が少ない。著者らは眼瞼部に発生した悪性リンパ種で,LSG分類のびまん性,大細胞型の中の免疫芽球型の1例を経験したので,その臨床および病理所見について報告する。
 症例症例は71歳男,家族歴,既往歴に特記すべきことなし。1977年8月,右下眼瞼の腫瘤に気づき摘出術を受け,組織学的に悪性リンパ腫と診断された。眼科的には視力右0.7(矯正0.9),左1.0(矯正1.2)と良好で老人性白内障以外著変を認めず,リンパ節腫脹や肝脾腫はなく,血液学的にも異常を認めなかった。1977年10月右上眼瞼、1978年7月右下眼瞼〜眼窩に再発したがその都度腫瘤を摘出し,1977年には同時発生した直腸癌の手術を受けた。直腸癌は高分化型腺癌で,全摘可能であった。その後,V-E療法,エンドキサソ50mg/dayの維持療法で経過良好であったが,CEAが最高20.6ng/mlまで上昇し,心嚢水の貯溜のほか,末期には脳卒中様症状を呈し死亡,全経過3年6ヵ月であった。解剖はできなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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