文献詳細
文献概要
臨床報告
周辺性ぶどう膜炎に伴って発症し,再発を繰り返したacute posterior multifocal placoid pigment epitheliopathy
著者: 金井清和1 宇山昌延1 越生晶1 桑原博子2
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2大阪市柳田眼科
ページ範囲:P.999 - P.1004
文献購入ページに移動全身的一般状態は良好であったが免疫学的異常がみられ,かつ風疹ウイルスに対する抗体価が赤血球凝集抑制反応にて異常な高値を示した。
われわれは本症の病態は脈絡毛細管板の局所的閉塞による循環障害が主病変であって,網膜色素上皮の病変は二次的なものと考えた28)。さらに本例では慢性ぶどう膜炎が先行していたこと,APMPPEの発症時に前房,硝子体中に炎症細胞がみられたこと,乳頭の発赤をみたこと,および再三再発し,かつそれがステロイド投与によく反応したこと,患者血清に免疫学的異常がみられたことから本疾患の本態は脈絡膜の小血管のレベルに生じた免疫学的炎症であることが示唆された。
本疾患の原因については諸説あるが,その本態を示唆する症例を経験したので報告した。
掲載誌情報