icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻9号

1982年09月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

重症糖尿病性網膜症の治療における蛍光虹彩造影(FIA)の有用性について

著者: 福島茂1 林英之1 大島健司1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1033 - P.1039

文献購入ページに移動
 重症糖尿病性網膜症51例100眼に対して汎網膜光凝固療法,網膜冷凍凝固療法,硝子体手術を行い,その治療前および治療後6ヵ月目に螢光虹彩造影(FIA)を行った。結果は以下の通りであった。
(1)細隙灯検査にて虹彩ルベオージスを認めたものは27眼であったが,FIAにて94眼に螢光色素の漏出を認めた。(2) FIA所見は網膜症重度度とくに網膜剥離の合併をよく反映した。(3)35眼に光凝固を施行したが,眼底所見とFIA所見の軽快は並行せず,また血管新生緑内障の発生はなかった。(4)11眼に網膜冷凍凝固を施行したが,眼底所見の軽快例はなく,FIA増悪眼2眼に血管新生緑内障の発生をみた。(5)21眼に硝子体手術を施行したが,眼底所見は9眼で軽快し,4眼で増悪した。術前,術後を通して網膜剥離を認めた4眼に新たに血管新生緑内障を認めた。術前のFIAと血管新生緑内障の間に相関はみられなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?