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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻9号

1982年09月発行

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6)

学会原著

全層角膜移植の統計的観察—順天堂大学における最近24年間の症例について

著者: 上田俊介1 中安清夫1 江本一郎1 南修一郎1 中馬祐一1 金井淳1 中島章1

所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1041 - P.1045

文献概要

 1958年から1981年6月までに順天堂大学眼科学教室で行った全層角膜移植8171眼の術後混濁原因等につき検討を加えた。
(1)全層角膜移植術全体の透明治癒率は71%であった。
(2)角膜白斑例のうち,術前の内皮障害の著明なもの,混濁範囲の大きいものの結果は不良で,術後侵入血管の多少と透明治癒率との間に有意の関係は無かった。
(3)移植片反応は全体の27.4%に発症し,うち約30%が混濁結果に終わった。
(4)円錐角膜例における移植片反応は24.6%に発症し,その61%が術後3ヵ月までに,94%が術後1年までに起き,術後6ヵ月以上で起きた移植片反応では混濁結果に終わるものは少なかった。また角膜提供者の年齢が高くなるに従い,移植片反応出現率は箸明に上昇した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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