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特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
糖尿病性網膜症での血管床閉塞域と視野の相関
著者: 蓮沼敏行1 村岡兼光1 北川道隆1 仁木高志1 辻健一1 粟根裕1
所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1053 - P.1063
文献購入ページに移動第I群から第Ⅲ群までは,視野異常の程度と血管床閉塞の面積とに正の相関があった。そして各々の症例で視野のイソプターと螢光造影の前管床閉塞域とを重ねて比較検討すると,両者の範囲が凹凸の形を含め相似していた。第Iから第III群では,網膜血管床が閉塞している部位でも4/Vのイソプターの視野はよく保存されていた。第IV群は視神経炎等があり,検索時点では網膜血管床閉塞と視野異常の密接な相関はなかった。
以上血管床閉塞域の網膜では血流が非常に少ないにもかかわらず,視機能を完全には失っていない。この事実は,血管床閉塞域がhypoxic focusであり網膜症を悪性化させる主原因である,とする従来の説と合致していた。
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