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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻9号

1982年09月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

β—遮断剤の眼圧下降効果とくにtimololならびにcarteololの比較

著者: 堀江武1 高橋修1 白土城照1 北沢克明1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1065 - P.1070

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 新しく開発された,相異なる二つの交感神経β—受容体遮断剤であるtimololとcarteololの眼圧下降効果の強度比について,open studyと二重盲検交叉法を用いて比較検討し,以下の結果を得た。
(1)高眼圧症ならびに原発開放隅角緑内障患者を対象とし,open studyにより,0.25%timololと1%carteololを6週間ずつ計12週間timololからcarteololへの順で点眼し,その眼圧下降効果を比較検討したところ,両者の効果は同等であった。
(2)高眼圧症ならびに原発開放隅角緑内障患者を対象とし,open studyにより,0.5%timololと2%carteololを各々6週間ずつ計12週間timololからcarteololへの順で点眼し,その眼圧下降効果を比較したところ,その効果は0.5%timololの方が2%carteololより大であった。
(3)高眼圧症ならびに原発開放隅角緑内障患者を対象とし,二重盲検交叉法により,O.5%timololと2%carteololを4週ずつ8週間点眼し,眼圧下降効果を比較したところ,両者は同等であった。
(4)0.5%timololと2%carteololの眼圧下降効果が,opcn studyと二重盲検交叉法による試験で相異なったことの原因については,二つの試験方法のprotocol,とくに点眼期間および症例数の違い等による可能性は否定できないが,真の原因は不明である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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