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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻9号

1982年09月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

エタンブトール中毒の眼科的副作用の統計的観察

著者: 栃久保哲男1 橘川真弓1 大垣節子1 渡辺博1 渡辺ひろみ1 大岡良子1

所属機関: 1東邦大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1071 - P.1078

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 先に我々はEB中毒性視神経症前症例4例について報告したが,今回1979年4月から1981年7月までの2年3ヵ月間に,東邦大学付属大森病院限科外来を受診したEB服用患者100例を対象とし,経過観察を行った。EB中毒性視神経症と診断された患者は,外来48例中4例(8.3%),内科入院52例中10例(19.2%),計100例中14例(14%)である。発症群14例を対照群,すなわち対象例100例中発症群14例を除いた残り86例中から定期的に眼科的および内科的に各検査の施行された入院患者より19例を選び,これと比較検討し,統計的観察を行った結果,発症群と対照群において投与量および投与期間についてはDose-Response関係が必ずしも成り立たないこと,また眼科的副作用の発症と結核病巣の広がり,炎症所見,排菌の有無等,結核の重症度とは,あまり有意な関係は認められなかった。しかし,本症発症例において今回,赤血球数,ヘモグロビン1直,ヘマトクリット値が比較的低値を示し,有意差を認め,このことは本症発症に関字する一因子になりうると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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