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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻9号

1982年09月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

片眼性先天性二色型第二色覚異常の1例—第1報選択的順応法による各錐体系のスペクトル感度の測定

著者: 岡島修1 岡本道香1 小沢哲麿2

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2東京逓信病院眼科

ページ範囲:P.1091 - P.1095

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 右眼がdeuteranopia,左眼がほぼ正常に近い色覚の女性症例を報告する。症例の右眼は仮性同色表,色相配列検査およびanomaloscopcでdeuteranopiaと判定され,左眼は石原表を除いた諸検査で正常と判定された。本症例の父親はdeuteranopiaであった。
 正常者群,deuteranopia群および本症例の両眼の各錐体系のスペクトル感度を,Waldの選択的順応法によって測定し,次の結果を得た。
(1) deuteranopia群では,正常者群と比べて緑錐体系の感度が有意に低下していた。
(2)本症例の右眼の各錐体系のスペクトル感度は,いずれもdeuteranopia群の95%信頼区間内に含まれた。
(3)本症例の左眼の緑錐体系のスペクトル感度は,正常域よりやや低下していた。
 以上の結果,本症例の右眼はdeuteranopia,左眼は軽度緑錐体系異常と診断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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