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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻9号

1982年09月発行

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6)

学会原著

毛様体解離によるhypotony maculopathyの治療法について—臨床的,組織学的検討

著者: 直原修一1 丹羽子郎1 舩橋正員1

所属機関: 1岐阜大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1109 - P.1115

文献概要

 鈍的眼外傷3例と緑内障手術後の1例に毛様体解離を伴うhypotony maculo—pathyが発症し,いずれも保存療法が無効で,3例は解離部に対してのargon laser照射で,1例は縫合手術により改善が得られ,毛様体解離の閉鎖には両法とも有効と思われた。
 Argon laser照射は解離範開約45度以下の3例に有効で,照射2週間後に急激な眼圧上昇とともに臨床症状の改善が得られた。
 有色家兎による実験では,縫合手術3日後には虹彩根部と角膜は密着し,角膜内皮細胞が虹彩上に連続してみられた。Argon laser照射3日後には凝固部に線維素の析出とともに細胞増殖像が観察され,14日後には結合組織により解離部の閉塞がみられた。
 以上のように,臨床例4例および有色家兎による実験成績より,毛様体解離に伴うhy—potony maculopathyに対して,縫合手術,argon leser照射は,その奏効機序よりともに有効であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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