文献詳細
特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6)
学会原著
毛様体解離によるhypotony maculopathyの治療法について—臨床的,組織学的検討
著者: 直原修一1 丹羽子郎1 舩橋正員1
所属機関: 1岐阜大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1109 - P.1115
文献概要
Argon laser照射は解離範開約45度以下の3例に有効で,照射2週間後に急激な眼圧上昇とともに臨床症状の改善が得られた。
有色家兎による実験では,縫合手術3日後には虹彩根部と角膜は密着し,角膜内皮細胞が虹彩上に連続してみられた。Argon laser照射3日後には凝固部に線維素の析出とともに細胞増殖像が観察され,14日後には結合組織により解離部の閉塞がみられた。
以上のように,臨床例4例および有色家兎による実験成績より,毛様体解離に伴うhy—potony maculopathyに対して,縫合手術,argon leser照射は,その奏効機序よりともに有効であると思われた。
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