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特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
長期間持続した外傷性低眼圧の臨床的検討
著者: 森野智英子1 難波彰一1 北庄司清子1 泉谷昌利1 松山道郎1
所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1129 - P.1133
文献購入ページに移動(2)隅角検査で5例中4例にcyclodialysisが認められ,1例にはangle recessionがみられたが,はっきりしたcyclodialysisは発見できなかった。
(3)5例ともに,長期間高度の低眼圧が持続した後,突然,毛様充血,あるいは前房混濁を伴った眼圧上昇がおこり,数日で正常眼圧に改善され,以後,眼圧は正常範囲内にコントロールされている。
(4)以上の臨床経過より推して,眼球打撲後長期間持続する低眼圧の主要因子として,cyclodialysisの発現に伴って続発する房水排出の促進を推定した。また,これらの低眼圧症候群の改善は,経過中に発生した炎症性反応による房水過剰流出路の閉鎖に起因するものと考えた。
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