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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科36巻9号

1982年09月発行

文献概要

特集 第35回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

Cathode ray tube (CRT)使用者の眼精疲労について

著者: 栗本晋二1 岩崎常人1 野村恒民1 相良久美1 野呂影勇2 山本栄2

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室 2産業医科大学人間工学教室

ページ範囲:P.1155 - P.1160

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 Cathode ray tube (CRT)端末を用いた作業を高年者,中年者,若年者に行わせ視機能への影響,また各世代層による相違を調節機能を主として検討した。高年者(58歳〜65歳)5名,中年者(38歳〜41歳)5名,若年者(19歳〜21歳)7名にCRT端末を用いた氏名探索作業を2時間行わせ,作業前後および安静2時間後の調節機能をAccommodopolyrecorderを用いて測定した。
 その結果,高・中年者では平均2cmの調節近点距離の延長がみられ,安静2時間後で作業前の近点距離に近づいた。若年者では有意な変化は認められなかった。調節時間は各年齢層とも作業前後に有意な差を検出することはできなかったが,高・中年者では作業後延長する傾向をみた。Accommodogram patternについても若年層では作業負荷によるパターン変化はなかったが,高・中年者ではパターン変化を認めた。
 以上のことより,高齢化するほどCRT作業の影響は大であったといえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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