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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科37巻10号

1983年10月発行

文献概要

臨床報告

真菌性眼内炎の治療

著者: 小口和子1 戸張幾生2

所属機関: 1多摩丘陵病院眼科 2東邦大学付属大橋病院眼科

ページ範囲:P.1353 - P.1358

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 我々は今回,抗生剤やステロイドの投与を受けた50歳男性に見られた真菌性眼内炎を経験し,副作用に対処しながらもAmphotcricin Bを投与して治癒に導きえた。
 真菌性眼内炎は,全身性真菌症の一つの表われであるばかりでなく,それ自体,適当な処置がなされねば失明するという点で重要な眼疾患の一つである。我々の症例にも見られるごとく抗生剤やステロイドの投与,その他手術,全身状態の悪いものなどが素因となる。初期には確定的な臨床症状に乏しく,また培養同定が困難であることなど,本疾患の早期診断には困難な点が多い。
 Amphotericin Bは副作用が強く,眼内移行が悪いが,他に有力な薬剤が無い以上,第一選択となる薬剤である。副作用としては,発熱,悪寒に始まり種々にわたるが,多くは対症的に克服可能である。我々の症例では,30mg/日の維持量で,約1gの使用で治療効果をみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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